お知らせ

 
ニュートリノの研究に貢献する岩通計測のデータ収集システム
 

2015年10月23日
岩崎通信機株式会社

 

物理研究分野の計測システムに取り組んでいた岩通計測株式会社は2004年、東京大学宇宙線研究所の世界最大の地下ニュートリノ観測装置であるスーパ―カミオカンデのデータ収集システムを一新する計画へ参画しました。岩通計測の技術で観測精度、データ処理性能を大幅に向上させた電子回路ボード600枚の総入れ替えを行い、スーパーカミオカンデでは2008年9月に新たなデータ収集システムが運用開始されました。  スーパーカミオカンデ検出器は、直径39.3メートル、高さ41.4メートルの円筒形のステンレス製水タンクと、その壁面に設置された11,129本の光電子増倍管と呼ばれる光センサーから構成されています。

 

水中を走った荷電粒子から発するチェレンコフ光をこの光センサーでとらえます。チェレンコフ光の大きさと光をとらえた時間という2つの情報から、荷電粒子のエネルギーや方向を決定します。

 






スーパーカミオカンデ断面図
エレクトロニクスハット内のデータ収集システム

 

 

水槽の上には、エレクトロニクスハットと呼ばれる各種のエレクトロニクスが入った小屋が4つあり、光電子増倍管からの信号は70メートルのケーブルを経由してエレクトロニクスハットに送られます。

 

エレクトロニクスハット内で光電子増倍管からのアナログ信号を処理して、光電子増倍管が受けた光の量と時間の情報をデジタル情報として取り出す電子回路には岩通計測が長年にわたるオシロスコープの開発により培った技術が用いられています。入れ替えられた電子回路では、微細な信号から大きな信号まで測定することが可能となり、また複数の演算を同時に行うことでデータ処理中に他のデータを処理できないという課題を解決し、無数に降り注ぐニュートリノを抜けなくとらえ測定することが可能となりました。

 



 

この回路でとらえた
電子型ニュートリノ出現事象候補の例

 

高い観測性能を長期間にわたって維持するために回路は専用LSI化されており、現在も安定して観測データを蓄積しながら、ニュートリノ振動、陽子崩壊、超新星ニュートリノなどの研究に役立っています。