VOAC75/74用 SC-303A GPIB I/F経由 Excel 97版 データ収録マクロについて 岩崎通信機(株) 計測CS部 営業技術Gr. 1998/04/22 1. 概要 本ソフトウェアは, Microsoft Excel 97(以後Excelと表記する)のマクロ機能 を使って, 岩崎通信機(株)製デジタルマルチメータVOAC75xx/74xxシリーズで取 得したデータを, SC-303A GPIBインタフェースを通して受信し, 各測定値をリ アルタイムに Excelの表計算シートの各セルに表示させるものです. NATIONAL INSTRUMENTS社(以後NI社と表記する)のGPIBインタフェースを使用し ています. 2. 動作環境 2.1.必要なハードウエア マルチメータ: VOAC7510/7512/7513,VOAC7411/7412/7413 のいずれか. SC-303A GPIBインタフェースオプションが必要. コンピュータ: DOS/V機は動作確認済み. PC-98は未確認だが動くはず. Windows 95が普通に動作するCPUとメモリを搭載したもの. GPIBボード: PCI-GPIB, PCMCIA-GPIB(National Instruments社製) AT-GPIB/TNT, NEC-GPIB/TNTは未確認だが動くはず. その他: GPIBケーブル, フットスイッチ(必要なら). 2.2.必要なソフトウェア OS: Microsoft Windows 95 アプリケーション: Microsoft Excel 97 処理言語: Microsoft Excel 97 Visual Basic for Apprications Edition(VBA) GPIBライブラリ NI-488.2M(NI-GPIBボードに添付) 3. 必要なファイル SC303XG.BAS: Excel 97 VBA モジュールファイル NIGLOBAL.BAS: NI-488.2M Visual Basic Interface ファイル VBIB-32.BAS: NI-488.2M Visual Basic Interface ファイル SC303XG.TXT: ソフトウェアの説明書(このファイル) 4. 使用方法 使用するコンピュータに Excel 97 がセットアップされていることを確認して ください. セットアップの方法は Excel 97 のマニュアルを参照してください. 使用するコンピュータに,NI社のGPIBハードウェア・ソフトウェアがインスト ールされていることを確認してください. セットアップの方法は GPIBボードに付属のマニュアルを参照してください. 4.1.ファイルの読み込み まず Excel 97 を起動すると Book1 の計算シートが表示されます. このメニューバーにある「ツール(T)」のサブメニューの「マクロ(M)」の 「Visual Basic Editor(V)」を選択します. すると Microsoft Visual Basic - Book1 のフォームが現れますので,この メニューバーの左部分にある「ファイル(F)」のサブメニュー「ファイルのインポート(I)」 を選択し,この VBAProject に必要なファイルとしてあげた,拡張子が".BAS"の 三つのファイルを読み込みます. SC303XG.BASは,岩通が供給するファイルですが, NI-488.2M のファイルは, NI社から供給されるファイルです. ファイルの在処は,NI-GPIBのインストール方法によって異なりますが, 私のシステムの例では, C:\Gpib95\LangInt\VBasic にありました. モジュールファイルはプロジェクトのモジュールホルダに読み込まれます. このあと「ファイル(F)」サブメニューの「終了してMicrosoft Excelへ戻る(C)」 を選択し計算シートを表示させます. 4.2. データの集録 データの集録の方法には三通りあり,一つは集録開始時に測定する時間間隔を 指定し開始後は,時間ごとに自動的に測定記録を実行するもので「定時集録」と 呼んでいます. 他の一つは,VOAC75xxシリーズしか使えないのですが,パネルのSRQボタンを押 すとその時の測定値をセルに記録していくので「SRQ集録」と呼んでいます. もう一つは,VOAC74xxシリーズでも上記「SRQ集録」と同じように使えるように SC-303Aの背面にある入力を使って,測定させ,その時の測定値をセル に記録していく「TRG集録」です. これらの集録を開始させるには,メニューバーにある「ツール(T)」のサブメニ ューの「マクロ(M)」の「マクロ(E)」を選択します. これにより「マクロ」フォームが表示されるので,マクロ名の一覧から 「定時集録開始」,「SRQ集録開始」あるいは「TRG集録開始」を選択・実行させ ます. はじめに, GPIBの設定指示のメッセージボックスが表示されますので,SC-303A を指示どおりに設定してください(機器アドレス=10,デリミタ=LF(EOI)). このあとSC-303Aと正常に通信ができれば,リモートのインジケータ他が点灯し 動作を開始するでしょう. もし何かの要因で通信に失敗した場合「GPIBが使用できません」または「プロ グラムメッセージを送信できない」などのメッセージを出します. この場合は,GPIBが正しくインストールされているか,SC-303Aが指示どおりに 設定されているかなどを調べてください. 正常に動作していれば, 現在選択されているセル(アクティブセル)の位置から 順に,測定の日付と時間および測定値データがセルに入力されていきます. 測定動作を終了したい場合は開始したときと同様,マクロ名の一覧から 「集録終了」を選択・実行させます. マクロ名の一覧に「取扱説明」がありますが,これは簡単な機能説明をすると ともに,岩通の著作権表示と,マクロの日付を表示するものです. このほかにもマクロ名の一覧に英文字だけのプロシージャが表示されると思い ますが,これはマクロとして動作させないでください. NI社のファイルに含まれるプロシージャ宣言の方法の問題で,混入してくるも のです. 4.3. 収集後の処理 収集し各セルに必要なデータが格納されたら,そのまま「ファィル(F)」メニューの 「名前を付けて保存(A)」で保存しても良いのですが,このままだとファイルの サイズが大きくなってしまいます. 翌日も続けてデータを取り続ける場合を除いて, 4.1.ファイルの読み込みで VBAProjectに追加した,三つのファイルは削除してしまいましょう. またメニューバーの「ツール(T)」→「マクロ(M)」→「Visual Basic Editor(V)」を 選択し, Microsoft Visual Basic のフォームを表示し, VBAProject のモジュ ールフォルダにあるモジュールをクリック選択し,「 の削除(R)」で 三つとも整理します. データの集録を頻繁に行う実験の場合, 「4.1.ファイルの読み込み」が完了し た時点で, Excel用のテンプレートファイルとして一つだけ保存しておくと良い でしょう. 次からは,このテンプレートを呼び出すだけですぐ測定ができます. もちろんこのブックには,データを集録する「マクロ」が含まれたままになっ ています. もしあなたの Excel がマクロウイルスをチェックするオプションが選択され ていると,マクロを有効にするかを聞いてきますので,「マクロを有効にする」 を選択してください. 4.4. 使用上の注意 マクロで集録を実行中に Excel のメニューバーをクリックしメニュー選択状 態やセルの編集状態のままだと,測定時間になっても測定の実行ができなくなり ます. これらの状態から抜け出すまで一分間は待ちますが,これを超えるとタイムア ウトとしてその時点で集録を終了してしまいます. また測定した値は,現在のアクティブセルに記入されますので,理由もなく アクティブセルを移動させないでください. 5. 著作権について 本マクロプログラムの著作権は,岩崎通信機(株)にあります. 当社に無断で,コードを改ざんすることは一向に構いませんが,プログラム中に 表記している Copyright(C) IWATSU ELECTRIC CO., LTD. の記載を削除するこ とを禁じます. 変更を加えた人の著作権表示と併記するようお願いします. 6. サポート体制 本マクロプログラムについての,不具合などにつきましては,下記の連絡先に お問い合わせ願います. ただし,サポート対応の期間は,本ソフトウエアの公開後一年間とさせていただ きます.(「取扱説明」の日付を参照ください) 〒168-8501 東京都 杉並区 久我山一丁目 7-41 岩崎通信機(株) 計測事業部 計測CS部 営業技術グループ 担当: 鳥居 俊宏 Phone: 03-5370-5204 Facsimile: 5370-5258 e-mail: torii@iwatsu.co.jp 7. バージョン情報 1998/02/12 初版発行 1998/02/19 無限ループ突入防止対策 1998/03/10 EXT TRIG による集録を追加 1998/04/22 このファイル(SC303XG.TXT)の修正 Copyright(C) IWATSU ELECTRIC Co.,LTD 以上