レーザドップラ振動計 V100シリーズ(製造元:電子技研工業株式会社)

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概要

広測定範囲、設定距離400mm~2m

レーザドップラ振動計とは、センサヘッドからレーザ光を振動物体に照射し、振動物体から反射されたレーザ光(ドップラシフトしたレーザ光)の周波数変化(速度変化)を電圧に変換(F/V変換)して振動現象を検出する非接触型の振動速度センサです。 信号処理回路により速度信号を変位信号や加速度信号へ変換し、出力することもできます。

V100シリーズ コントロールユニット 仕様

型名 V100-LM V100-MS V100-S
測定周波数範囲 0.5Hz~300kHz
速度測定範囲 3μm/s~10m/s 0.05μm/s~1m/s 0.05μm/s~0.1m/s
速度レンジ 2m/s/V
0.2m/s/V
0.2m/s/V※
0.02m/s/V
0.02m/s/V
速度出力 電圧 ±5V VELOCITY端子(BNC)
測定精度 ±2%以内
ローパスフィルタ 3kHz, 30kHz, 300kHz
ハイパスフィルタ 0.5Hz, 30Hz, 300Hz
インジケータ 10エレメントLED (SIGNAL LEVEL 表示)
モニタ出力 SIGNAL LEVEL 0~+5V
変位モジュール S1端子より出力(オプション)
変位・加速度モジュール 変 位 : S1端子より出力(オプション)、加速度: S2端子より出力(オプション)
SHUTTER ON/OFF ON:端子短絡(レーザ光出射)、OFF:端子開放(レーザ光閉)
外形寸法 約115(W)×111(H)×281(D)mm (突起物含まず)
重量 約3.8kg

※ 測定周波数範囲 0.5Hz~50kHz

V100シリーズ センサユニット 仕様

方式 光ヘテロダイン法
レーザ光源 He-Neレーザ(波長 632.8nm)
射出光出力 1mW 以下
レーザ安全基準 クラス2 JIS C6802規格適合
測定距離(WD) 集光レンズ取付面より 295mm ~ 700mm
(集光レンズ+5mm接写リング使用時)
400mm ~ 2m
と(集光レンズ使用時)
ビーム径 Φ20μm(測定距離340mm時)
インジケータ 10エレメントLED(SIGNAL LEVEL 表示)
外形寸法 約57(W)×111(H)×259(D)mm (突起物含まず)
重量 約2.2kg(プレート無し)/約2.7kg(有り)

V100シリーズ 一般仕様

接続ケーブル
AC-DCケーブル長 3m
電源 AC100V~240V(±10%) 50/60Hz
消費電力 約42VA
動作温度範囲 0~45℃
動作湿度範囲 20~80%(但し結露しないこと)


V100シリーズ アプリケーション

弾性波の振動測定

非破壊検査分野でよく用いられる弾性波の測定例です。左図では、被測定物に金属(黄銅)を使用しています。黄銅の端部をソレノイド式励振器を用いて励振し、黄銅を伝播してきた弾性波をレーザドップラ振動計で測定しています。
測定ポイントを移動させて多点測定を行うことで、移動距離と遅れ時間より弾性波の伝播速度を測定したり、被測定物内部の状態を測定することにも用いられます。励振器について、打撃による直接的な方法の他、別途パルス式YAGレーザを使用することで、完全非接触で被測定物を励振することもできます。

【写真】弾性波の振動測定、【グラフ】弾性波の振動測定グラフ

水晶振動子(圧電素子)の振動測定

振動周波数40kHzタイプの水晶振動子(圧電素子)の電極部にレーザ光を照射し、ピンポイントで振動波形を測定。
レーザドップラ振動計を使用することで、レーザ光の光軸方向の振動成分を、高い空間分解能で測定できます。写真1のレーザ照射ポイントで、速度4mm/s(0-peak)(=変位16nm(0-peak))の振動波形を測定。(グラフ参照)
照射ポイントをスキャンさせることにより、振動分布の測定も可能です。

【写真】HDDフライングヘット部、【グラフ】HDDフライングヘット部振動測定

ハードディスクドライブ(HDD)の振動測定

ハードディスクドライブ(HDD)のフライングヘッドの測定例です。ディスクが回転している時の測定を行いました。
測定結果の一例を示します。上段が振動変位、下段がFFTによるパワースペクトルです。モータの回転数(5,400rpm)を示す周波数(90Hz)のピークとその高調波を確認することが出来ます。

【写真】水晶振動子、【グラフ】晶振動子(圧電素子)の振動測定グラフ

光ピックアップのサーボ解析

レンズの中心表面にレーザ光を照射し、光ピックアップのフォーカス方向(写真の上下方向)のサーボ特性を解析します。 光ピックアップのコントロールには、FFTの信号出力を利用し、100kHzまでの広帯域の解析を行いました。

【写真】HDD光ピックアップ部、【グラフ】伝達特性(位相)