CPaaS とは !? ポイントと活用例を解説します。 新型コロナウィルスによるパンデミック以降、急速にデジタル化/オンライン化が進み企業と顧客のコミュニケーションのあり方が変貌していますが、AIやボット、ビデオコミュニケーションを中心にデジタルチャネルが拡充される中で、より柔軟に活用できるサービス「CPaaS」が注目されています。このページでは初心者向けにCPaaSのポイントと活用例を解説します。

CPaaS とは

電話回線や音声通話、IVR、会議システムといった
企業と顧客のコミュニケーションに必要な機能をAPI単位で提供するサービスです。



CPaaSで使われる技術「WebAPI」とは?

CPaaSで使われる技術「WebAPI」とは?

 CPaaSを理解する上で「WebAPI」とは何かを知ることが重要になります。APIとはアプリケーション・プログラム・インターフェースの略称で、あるアプリケーションが別のアプリケーションやサービスの機能を利用する際の窓口の役割を果たす仕組みです。WebAPIはその名の通りインターネット上に公開されており、HTTPという通信プロトコルを使ってやり取りを行います。ブラウザアプリやスマートフォンアプリがWebAPIに対して情報が欲しいとリクエストの通信を行うとリクエストを受けたWebサービスが結果を返し、その内容がアプリ上に表示されます。ウェブ検索でキーワードを入力し検索ボタンを押すと、キーワードに応じた検索結果が表示されるというイメージに近いです。CPaaSはこのWebAPIの仕組みを利用し、インターネットを通じてコミュニケーションに必要な機能を提供します。



クラウドサービスとCPaaSの違い

一般的なクラウドサービスとCPaaSの違いを理解する上で、日常のものに例えると理解しやすいです。

定食の写真

 クラウドサービスは定食に例えることが出来ます。ごはん、主菜、副菜、汁物といった定まった料理が提供され、満腹で食べきれないといった場合でも基本的にメニューの変更はできません。クラウドサービスはパッケージに含まれる機能を使っていくことになりシステム側に運用を合わせていくことが多いです。

ビュッフェの写真

 一方でCPaaSはビュッフェ形式であると言えます。料理は自分の好きなものを好きなだけ取り分け食べることが出来ます。 CPaaSは使いたい機能だけをチョイスできるため、自社のサービスやすでに利用している音声プラットフォームと組み合わせたり、音声ボットなどの仕組みを個別に構築したりお客様のニーズに柔軟に対応することが出来ます。



CPaaSで利用できる機能

CPaaSで利用できる機能

 CPaaSはアプリケーションをさらに細分化した機能単位で提供されます。具体的には電話回線から音声通話制御、SMS/メール/チャット/ビデオといったデジタルチャネルなどのコンタクトセンターに必要な機能から、二要素認証やストリーミング配信などのプラスアルファの機能までご利用いただけます。



CPaaSを利用するメリット

CPaaSを利用するメリット

 1点目は機能単位で従量課金である点です。クラウドサービスの場合、実際には利用しない、利用頻度が低い機能もひとまとまりで提供 されますがCPaaSは必要な機能を利用した分だけ費用を支払うので、トータルコストの低減を期待できます。また、PoC(概念実証)やトライアルといったスモールスタートでの運用やテレマエージェンシー様のスポット業務での活用を検討しやすいです。



 2点目は柔軟に機能追加できる点です。機能/API単位での提供となることから実際の利用には開発作業が伴いますが、 お客様のご要望に応じて柔軟に実装が検討できます。既存で利用しているプラットフォームやサービスに機能を追加したいといった場合に いちから開発する必要がなくなるので、リリースまでのリードタイムを短縮できます。パッケージの範囲内での利用が前提となるクラウドサービスはシステム側に運用を合わせていくことが多いですが、CPaaSはお客様のニーズに柔軟に対応することが出来ます。



CPaaSの活用シーン

CPaaSの活用シーン

 企業はコンタクトセンターでの問い合わせ受付をはじめ、ウェブサイトやモバイルアプリなど様々メディアを用いて、ユーザーとコンタクトを図ります。CPaaSはあらゆるシーン/デバイスと柔軟に連携し、幅広いコミュニケーションチャネルを提供します。


電話回線API

電話回線API

 CPaaSの電話回線APIはウェブからの手続きで簡単に番号を取得できます。従来のキャリア契約や現地工事が不要になるので、開通までのリードタイムの短縮ができるほか、クラウドPBXとの接続も容易なためすでにご利用いただいている音声基盤の電話回線増設にも柔軟にご活用いただけます。


SMS送信API

SMS送信API

 SMSはチャットやメールなどのデジタルチャネルと比較して、開封率や本人への到達率が高く、電気料金確定の案内や督促業務における通知など緊急の用件や本人への伝達が必須である業務で活用されます。あふれ呼が発生している時はPBXのIVRと組み合わせることで、お客様へFAQサイトのリンクを記載したSMSを送信し自己解決の促進が図れます。


二要素認証API

二要素認証API

 二要素認証はアカウントIDとパスワードの他に、SMS等で特定の数字を送信し、その数字(PINコード)を入力させることで本人確認を行う仕組みのことです。認証行為が本人確認となりセキュリティが保てるだけでなく数秒で認証が完了するので、ユーザーの利便性を損ないません。セキュリティ意識の高まりから様々なサービスで活用されていますが、例えばC2C/E2Cコマースのサービスでは詐欺行為やマネーロンダリングなどの不正利用防止の観点からアカウントの新規作成時に二要素認証を組み合わせる事で本人確認を実施します。