環境マネジメント

基本的な考え方

 岩通グループは、気候変動を始めとする環境課題の解決を持続可能な社会実現の重要な要素であると考え、以下の環境方針のもと事業活動に伴う環境負荷の低減に取り組んでいます。

環境方針

岩通グループは、事業活動を通じて自然資本の保全に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献します。

  1. 気候変動への具体的な取り組みとして、温室効果ガスScope1、2、3排出量の削減を図ります。
     (SBT認定削減目標の達成)
  2. 環境配慮製品及びサービスの提供を推進し、ライフサイクルにおける環境負荷の低減に努めます。
  3. 環境汚染の防止、生物多様性の保全、資源の効率的利用及び循環促進に努め、事業所活動における環境負荷の低減に努めます。
  4. 法的及びその他の要求事項を順守します。
    • 環境関連の法規
    • 地方自治体の環境条例
    • 岩通グループが同意するその他の要求事項
  5. 環境マネジメントシステムを継続的に改善し、環境パフォーマンスの向上に努めます。

EMS推進体制

 岩通グループは、ISO 14001に基づく環境マネジメントシステム(EMS)を構築、運用管理し、環境パフォーマンスの改善に取り組んでいます。
 EMS管理責任者の指揮のもとグループ事務局が起点となり、各部門及び内部監査員と連携し、内部監査やマネジメントレビューを通じて環境パフォーマンスや法順守状況、活動の有効性などをモニタリングしています。

環境マネジメントシステム推進体制図

ISO 14001認証取得状況

会社名 取得状況 認証機関/番号 認証適用サイト
岩崎通信機(株)

日本検査キューエイ(株)/E1871 久我山、営業課所サイト
岩通マニュファクチャリング(株)

会津、須賀川、泉崎、栃木、久我山
岩通ネットワークソリューション(株)

久我山、北関東
岩通ビジネスサービス(株)

久我山
岩通ソフトシステム(株)

久我山
東通工業(株)

八王子
電通サービス(株)

×

groxi(株)

×

Iwatsu(Malaysia)SdnBhd

Intertek/E126588-2

○:岩崎通信機㈱本社のグループ認証として取得
●:個別認証により取得。Iwatsu (Malaysia)SdnBhdは、国内とは別のEMS推進体制を整備・運用

環境パフォーマンス

 岩通グループは、生産プロセスの効率化・省エネ活動・省資源活動等を通じて、生産活動に伴う環境負荷を低減するとともに、各種環境パフォーマンスの監視・改善活動を行っています。
 岩通グループの2018年度~2021年度の主要な環境パフォーマンスの推移は右表の通りです。
 2021年度は前年度に対し、総エネルギー投入量・Scope1、2排出量ともに削減できました。
 水資源投入量や廃棄物総排出量については、2020年度はコロナ禍の影響で稼働量が低下したため、減少しましたが、2021年度は稼働量の回復により、前年度比で増加しました。
 なお、2021年度の環境効率指数(売上高1億円あたりのCO2排出量)は22.75であり、前年度の25.64に対し11.28%の改善となりました。

環境効率指数の推移

  2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 備考
資本金[百万円]

6,025

6,025

6,025

6,025

岩崎通信機(株)
連結売上高[億円]

208.47

222.94

217.06

231.82

総エネルギー投入量 [GJ]

114,055

111,294

107,683

105,599

省エネ法の熱量換算係数を使用
[MWh]

31,685

30,918

29,914

29,335

1[GJ]=0.2778[MWh]で換算
太陽光発電売電量[MWh]

2,566

2,452

2,376

2,436

岩通泉崎メガソーラー発電所発電量
化学物質使用量[トン]

317

326

232

367

国内・海外工場サイト
水資源投入量[m3]

35,389

34,451

30,487

35,071

岩通本社及び国内・海外工場サイト
主要製品の販売量[トン]

1,319

1,392

1,055

1,168

Scope1、2排出量[トンCO2]

6,134

5,878

5,565

5,273

総排水量[m3]

33,857

32,980

29,111

33,823

本社及び国内・海外工場サイト
PRTR対象物質 排出量[トン]

13.4

7

7.5

7.2

国内工場サイト届出量
移動量[トン]

6.7

7.8

4.7

5.5

VOC排出量[トン]

7.9

6

4.8

6.3

国内工場サイト
廃棄物総排出量[トン]

610

609

551

567

岩通本社及び国内工場サイト
リサイクル率[%]

98.5

98

97.5

97.3

岩通本社及び国内工場サイト
環境効率指標

29.42

26.37

25.64

22.75

CO2排出量[tーCO2]/売上高[億円]

岩通グループにおける環境負荷マテリアルバランス

  • 購入電力、燃料については、省エネ法における熱量換算係数を使用
  • 太陽光発電自家消費については、 1[kWh]=0.0036[GJ]にて換算  
  • ガス:都市ガス及びLPG  
  • 燃料:重油、軽油、灯油、ガソリン、その他液体燃料 
  • 化学物質:国内及び海外工場サイト使用量  
  • 水(上水、地下水):岩通本社及び国内・海外工場サイト  
  • Scope2排出量:マーケット基準にて算出   
  • 廃棄物:岩通本社及び国内工場サイト  
  • VOC:国内工場サイト排出量   
  • PRTR対象物質:国内工場サイト届出量合計  
  • 排水:岩通本社及び国内・海外工場サイト(排水量が不明な場合は水使用量にて代替)

活動概要(国内EMS認証適用組織)

■内部監査

 岩通グループは、年に1回、岩崎通信機本社を主管とした内部監査を実施し、EMSの適合性と有効性の確認をしています。

[実施時期] 2021年8~10月
[対象] 6社14サイト(岩通グループ・国内)
[結果] 重大な不適合0件

■外部審査

 岩通グループは、年に1回、EMSの適合性及び有効性について認証機関による外部審査を受けています。不適合については定められた期間で修正/是正処置を行っています。改善の機会については、各部門で対応を検討し、内部監査で確認を行っています。

[実施時期] 2021年5月
[認証機関] 日本検査キューエイ(株)
[結果] 不適合0件、改善の機会19件

■マネジメントレビュー

 岩通グループは、年に2回、岩通グループ事務局が主幹となりマネジメントレビューを実施しています。経営層に環境パフォーマンス、環境法令順守状況、改善点などを報告しています。

[実施時期] 2021年4月(前年度総括)
       2022年1月(内部監査報告)

■環境教育

 EMSを有効に運用するため、環境教育・啓発活動を計画し実施しています。

2021年度 実施状況

教育・啓発活動タイトル 参加人数(名)
新入社員教育(EMSの概要) 20
環境月間教育(産廃管理・SDS・化学物質管理) 82
営業課所における廃棄物管理 17
廃棄物に関する全社教育(eラーニング) 全社員
内部監査事前教育 72
新任内部監査員養成教育 14

■外部コミュニケーション

 環境関連情報の開示は、本サステナビリティ報告書にて実施しています。また、ステークホルダーからの問い合わせ・要望等については、関連部門との内部コミュニケーションにより適切な対応に努めています。

■環境法規制への対応

 環境法規制の改正等の定期的なチェックを実施し、届出・報告などの義務・許認可などについて、適切な対応に努めています。

ISO 14001認証組織の順守状況(国内)

法令等 久我山 会津 須賀川 泉崎 栃木 八王子 営業課所
大気汚染防止法
騒音規制法
廃棄物処理法
消防法(危険物)
化管法(PRTR制度)
浄化槽法
PCB特措法
都道府県条例

製品含有化学物質の管理と環境配慮製品

■製品含有化学物質の管理

 岩通グループは、国内法規制や欧州RoHS指令・REACH規則などの海外法規制への対応を通じて、自社製品における有害化学物質の削減を図っています。具体的には、社内規程で管理対象とする法規制物質・自主規制物質を明確にし、管理を徹底しています。
 岩崎通信機は、JAMP(アーティクルマネジメント推進協議会)に加盟し、同組織が提供する調査ツール「chemSHERPA(ケムシェルパ)※」を用いてサプライチェーンにおける製品含有化学物質調査を実施しています。また、米国TSCA PBT規制で制限される5物質についても自社製品に関する含有状況の調査を行い、化学物質に関する環境負荷の低減に努めています。

  • 経済産業省が主導して開発された、サプライチェーンにおける製品含有化学物質情報伝達スキーム。従来スキームのJAMP AIS 及びJGPSSIを継承し、一体化した仕組み。

■環境アセスメント

 岩通グループが設計・製造し、販売する製品が地球環境へ及ぼす影響を低減させるため、新製品について製品のライフサイクルを意識した環境アセスメントを実施しています。設計にあたっては、従来相当製品と比較チェックし、省資源化・再資源化・リサイクル処理の容易化・省エネルギー・有害化学物質の使用抑制などの評価・改善を図っています。

環境アセスメント項目
・ リサイクル可能率
・ 分別の容易性
・ 標準化率
・ 小型・減量化率
・ エネルギー削減率
・ 識別・材質表示
・ 環境安全性
・ 分解性評価値
・ 廃棄時の安全性配慮 ・ リサイクル表示
・ 取り外し容易化

■岩通エコラベル

 岩通グループが設計・製造・販売する製品に対し、独自の基準をもった自己宣言型のエコラベルを設定しています。
 付与基準(環境負荷項目)には、必須項目と配慮項目を定めており、両基準を満たした製品にエコラベルが付与されます。現在、SBT認定の温室効果ガス削減目標やプラスチックの資源循環を考慮し、付与基準の見直しを行っています。新基準の運用開始は2023年度を予定しています。

気候変動問題への対応

基本的な考え方

 岩通グループは、より深刻化する気候変動問題への対応を持続可能な社会実現の重要課題と捉え、環境に関する3つのマテリアリティを特定しています。また、これらのマテリアリティについて6つの活動テーマを設定しています。
 活動テーマの達成に向け、SBT認定・TCFD提言への取り組みを軸に、事業所における省エネルギー活動、再生可能エネルギーの導入検討、自社製品の消費電力低減、取引先との協働などバリューチェーンにおけるGHG排出量の削減を推進することで、日本政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」の実現に寄与していきます。
 あわせて、気候変動問題に関する最新の情報や政策、業界動向を注視し、岩通グループの施策に反映することで実現可能性を高めていきます。

SBT認定の取得に向けた取り組み

 岩通グループは、気候変動対応を具体的に推進するべく、 2021年12月、「SBTi※1」に対し2年以内の認証取得を目指すコミットメントレターを提出しました。
 Scope1,2排出量については、 2020年度を基準年として2030年度のBAU排出量を試算し、1.5℃目標水準にて2030年度の排出量削減目標を策定しています(右図)。 Scope3排出量については、現在、算出を行っており、算出結果をもって削減目標を設定し、GHG排出量削減を推進していきます。



  • 1 WWF(世界自然保護基金)、CDP、WRI(世界資源研究所)、国連グローバル・コンパクトの4団体が共同で設立した国際的イニシアチブ。地球の平均気温上昇を産業革命前と比べ、1.5℃に抑えるという目標に向けて、科学的根拠に基づいた削減目標を企業に働きかけている
  • 2 電力事業連合会が掲げる2030年目標の電力CO2排出係数0.37/kgCO2を適用した場合の削減量であり、2020年の電力CO2排出係数から24%削減されるものとして設定(実績比)
  • 3 追加的な対策を講じなかった場合(Business as usual)

TCFDへの賛同

 岩通グループは、2022年8月、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)※への賛同を表明しました。今後、気候変動に関するリスクと機会の特定・シナリオ分析・ガバナンスなどについて、TCFD提言に基づいた情報開示を行っていきます。

※気候関連のリスクと機会がもたらす財務的影響に関する情報開示の向上を目的に、G20金融安定化理事会(FSB)が2015年に設立した国際的イニシアチブ 

CO2排出量の削減

 岩通グループは、省エネ施策として、電力のピークカット、クール・ビズ、ウォーム・ビズ、無人エリアの自動消灯などに継続的に取り組んでいます。2021年度のCO2排出量は前年度と比較して292トン(5.25%)削減となりました。

※1 久我山サイトの排出量には、岩崎通信機(株)の営業所が所有する社用車に伴う排出量、岩通ビジネスサービス(株)、岩通ソフトシステム(株)の排出量を含みます ※2 2021年度からは、久我山サイトの排出量に岩通ネットワークソリューション(株)本社の排出量が、営業課所サイトに北関東営業所の排出量が含まれます  また、売上高1億円あたりのCO2排出量を環境効率指標としてモニタリングし、環境と経済双方の効率性を追求しています。

[トンーCO2]

会社名 サイト 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度

岩崎通信機(株)

久我山

2,074 2,212 2,157 1,883

営業課所

81 75 76 74

小計

2,154 2,287 2,232 1,957

岩通マニュファクチャリング(株)

会津

70 69 73 68

須賀川

1,068 1,001 860 834

泉崎

1,014 947 952 879

栃木

789 688 550 594
小計

2,941 2,705 2,435 2,376

東通工業(株)

八王子

48 45 45 47

groxi(株)

68 70 61 61

電通サービス(株)

84 80 77 75

Iwatsu(Malaysia)SdnBhd

838 691 715 757

岩通グループ合計

6,134 5,878 5,565 5,273

環境効率指標:CO2排出量[t-CO2]/売上高[億円]

29.42 26.37 25.64 22.75

■Scope1、2排出量

 2018年度~2021年度の岩通グループのScope1、2排出量の推移は以下の通りです。
 なお、ロケーション基準におけるマレーシア国の排出量については、日本国内の排出係数にて代替、算出しています。

区分 2018
年度
2019
年度
2020
年度
2021
年度

Scope1排出量

1,467 1,484 1,311 1,251

Scope2排出量

マーケット
基準

4,667 4,394 4,254 4,022

ロケーション
基準

4,587 4,304 4,090 3,895

■CO2排出源

 岩通グループにおけるCO2排出源は、電力・ガス・燃料(重油・灯油・軽油・ガソリン)及びその他燃料です。その他液体燃料としては、VOC除去装置※より燃焼除去された有機溶剤が該当します。


CO2排出源分布(2021年度)
  • 蓄熱式脱臭装置:栃木サイトコータードライヤーに付設

■岩通泉崎メガソーラー発電所

 岩崎通信機は、泉崎サイトに設置面積約34,500m2、発電能力約2メガワットの岩通泉崎メガソーラー発電所を運営しています。
 同発電所は2013年10月より稼働を開始し、再生可能エネルギー固定価格買取制度を活用して電力会社に売電し、地域社会におけるCO2排出量の削減に寄与しています。
 2021年度の発電量は2,436MWhで、CO2換算で1,104トンの削減となりました。

  • 電気事業者別排出係数(R2年度実績)代替値を使用して算出

岩通泉崎メガソーラー発電所

エネルギー使用実績

2018年度~2021年度の岩通グループにおけるエネルギー使用実績は以下の通りです。
2021年度は、前年度に対し2,084GJ(579MWh)の使用エネルギー削減となりました。

エネルギー種別 2018
年度
2019
年度
2020
年度
2021
年度

購入電力

91,469 87,933 86,765 85,654

太陽光発電自家消費

501 486 489 492

小計(電力)

91,970 88,419 87,254 86,146

都市ガス

4,925 5,920 6,122 3,937

LPG

2,998 3,111 2,366 2,801

重油

4,497 4,271 3,635 3,836

灯油

318 330 454 478

軽油

209 165 153 161

ガソリン

5,805 6,405 5,523 5,372

その他液体燃料

3,333 2,673 2,175 2,867

小計(燃料)

22,086 22,875 20,429 19,453

合計

[GJ]

114,055 111,294 107,683 105,599

[MWh]

31,685 30,918 29,914 29,335

2021年度エネルギー使用内訳

熱、蒸気及び冷熱生成に使用したエネルギー

岩通グループは、燃料より生成した熱、蒸気及び冷熱を次の用途で利用しています。

■用途事例

  • 熱:暖房、厨房、社用車、乾燥炉
  • 蒸気:乾燥炉、蒸気ボイラー、加湿
  • 冷熱:空調(冷温水発生器)

 2021年度に岩通グループが熱、蒸気及び冷熱生成に使用した燃料は以下の通りです。

蒸気生成

燃料 発熱量[GJ] 発熱量[MWh]

都市ガス

1,072 298

LPG

2,240 622

その他液体燃料

2,390 664

合計

5,703 1,584

冷熱生成

燃料 発熱量[GJ] 発熱量[MWh]

都市ガス

2,747 763

重油

3,836 1,066

合計

6,584 1,829
  • 省エネ法における熱量換算係数を使用
    1[GJ]=0.2778[MWh]にて換算
    その他液体燃料は、VOC除去装置(蓄熱式脱臭装置)で燃焼される有機溶剤です

熱生成

燃料 発熱量[GJ] 発熱量[MWh]

灯油

478 133

軽油

161 45

ガソリン

5,372 1,492

都市ガス

118 33

LPG

561 156

合計

6,690 1,858

熱、蒸気、冷熱の生成エネルギーの推移


化学物質管理

■化学物質使用量の管理

 岩通グループは、ビジネスホンや電子計測器、印刷システム機器の製造の際の補助材料として、はんだや有機溶剤、塗料などの化学物質を使用しています。また、当社が供給する印刷システム機器の消耗品は、化学製品であり、岩通グループが使用する化学物質の約90%が、同商品の製造に使用されています。
 岩通グループでは、使用する化学物質について、化学物質管理簿により使用量等の把握、管理を行っています。

化学物質使用量の推移

  • 製造・修理工程で使用する化学物質を集計しています。対象会社は以下の3社です。
    • 岩通マニュファクチャリング(株)
    • 東通工業(株)
    • Iwatsu (Malaysia)Sdn Bhd

■PRTR対象物質の届出

 岩通グループでは、化管法(特定化学物質の環境への排出量の把握など及び管理の改善の促進に関する法律)への対応として、第一種指定化学物質の取扱量、排出量、移動量等について監視及び管理を行っています。
 2021年度は、化管法 第一種指定化学物質のうち17物質を使用しました。
 第一種指定化学物質のうち届出を行った物質は、1ーブロモプロパン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン (泉崎サイト)、トルエン及びキシレン(栃木サイト) です。

PRTR対象物質届出量の推移

■印刷システム製品消耗品のSDS

 岩通グループでは、印刷システム機器に用いる消耗品について、安全データシート(SDS:Safety Data Sheet) を岩通Webページで公開し、GHSラベルや使用時や廃棄時の注意点などお客様への安全情報の提供に努めています。

  • GHS(Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals)とは、化学品の危険有害性ごとに分類基準及びラベルや安全データシートの内容を調和させ、世界的に統一されたルールとして提供するもの

環境汚染予防

■大気汚染防止の取り組み

 岩通グループは、光化学スモッグや浮遊粒子状物質(SPM)の原因物質である揮発性有機化合物(VOC)の排出抑制に努めています。
 岩通グループの保有施設のうち、VOC排出抑制対象の特定施設は、栃木サイトのコータードライヤーです。 当該のコータードライヤーには、蓄熱式脱臭装置を設置し、排出されるVOCを熱分解し、無害化して排出しています。
 また、国内グループ企業では、「電機・電子4団体VOC排出状況の継続調査」に参加し、対象VOC 20物質の排出量の監視と抑制に努めています。

栃木サイトVOC除去装置

年度 2018 2019 2020 2021
排出濃度 350 370 430 350
  • 排出基準濃度:600[ppmC]

VOC取扱量、排出量の推移

■土壌汚染防止の取り組み

 岩通グループには、土壌汚染対策法の特定施設に該当する設備はありません。
 しかしながら、泉崎サイト及び栃木サイトでは、重油や有機溶剤を貯蔵する地下タンクを保有しています。 また、須賀川サイト、泉崎サイト、栃木サイトでは、危険物第四類の屋外貯蔵所を保有しています。
 岩通グループは、地下タンク、屋外貯蔵所等からの危険物の漏洩を緊急事態として特定し、各サイトにて緊急事態対応訓練を行い、万が一の事態に備えています。

■水質汚濁防止の取り組み

 会津サイト、須賀川サイト、泉崎サイトは浄化槽を設置しており、浄化槽の定期検査を行うとともに最終放流口の水質を監視しています。
 最終放流口の水質検査では、水素イオン濃度や生物化学的酸素要求量(BOD)等が基準値を下回っているとことを確認しています。

水資源管理

■水資源保全の取り組み

 岩通グループは、上水道及び地下水を事業活動に使用しています。
 各サイトでは、クールビズ、ウォームビズを通じた空調設備用水使用量の抑制や、各人の節水活動により、継続して水資源投入量の低減を図っています。
 岩通グループにおける2021年度の水資源の投入量は、35,071m3で、2020年度より4,224m3増加しました。
 この増加は、2020年度、コロナ禍の影響で低下した稼働量が通常の操業状態に回復したことによります。

  • 排水量が不明なサイトは、水資源投入量を排水量としています
  • 自社所有賃貸ビルとは、岩崎通信機が所有する賃貸物件を指します
  • 海外サイトとは、Iwatsu (Malaysia)Sdn Bhdを指します

■水リスクの評価

岩通グループは、取水量の多い岩通本社及び工場サイトについて水リスクの評価を「Aqueduct Water Risk Atlas」を用いて行っています。
評価の結果、岩通グループが事業活動を行う地域では水ストレスが高い地域はないことを確認しました。
また、洪水リスクについては、各サイトにてハザードマップを確認し、リスクの把握に努めています。

  • Aqueduct Water Risk Atlas
    世界資源研究所(WRI)が無償提供している世界の水リスクを示した地図情報ツール。現バージョンは3.0(2019年公開)

生物多様性と森林保全

■事業活動と生物多様性の直接的影響

 岩通グループの事業活動には、生物多様性に直接的に大きな影響を与える活動は見当たりません。
 しかしながら、温室効果ガスの排出に伴う気温上昇、海洋酸性化、干ばつ化、事業活動で排出される有害化学物質や産業廃棄物、近年重大な環境課題として取り上げられているプラスチックごみ問題などが生物多様性に間接的に影響を与えると考えています。
 その考えを受け、次の活動を生物多様性保全活動と捉えて取り組んでいます。

生物多様性保全に関する取り組み項目
  1. 気候変動への取り組み(温室効果ガスの削減)
  2. VOC、PRTR、RoHS等の有害化学物質使用量の削減
  3. 大気、水域への排出基準値の順守
  4. 資源循環の促進による廃棄物の削減

■森林資源の持続可能な利用に向けての取り組み

 岩通グループは、2016年9月に印刷システム製品の1つである製版機に用いているマスターペーパーの一部について、FSCⓇーCoC認証を取得し、FSC認証材及び管理原材料を使用した製品として提供しています。対象のマスターペーパーは、岩通マニュファクチャリング(株)栃木事業所で製造しています。
 責任ある森林管理がされた木材を原料とした紙であることを購入段階で確認するとともに、マスターペーパー生産工程での非管理木材を原料とする紙の混入がないよう識別管理を行い、FSC認証製品としてお客様にお届けしています。

  • 岩通グループFSCⓇ認証取得事業所:
    岩崎通信機(株)第一営業部[FSCⓇC131860](メインサイト)
    岩通マニュファクチャリング(株)栃木事業所(サブサイト)
  • FSCⓇ:Forest Stewardship CouncilⓇ(森林管理協議会)
    木材を生産する世界の森林と、その森林から切り出された木材の流通や加工のプロセスに関する森林認証制度を運営する国際NGO
    FSC Ⓡ認証は、環境保全の点から見て適切で、社会的な利益に適い、経済的に継続可能な、適切な森林管理を広めるための国際的な認証制度です
    認証としては、2種類があり、FM(Forest Management:森林管理)認証とCoC(Chain of Custody:加工・流通過程)認証です
    FSCのマークが入った製品を購入することで、消費者は世界の森林保全を間接的に支援できます

■社会貢献活動に関する社内制度

 岩通グループは、多目的特別休暇制度を設けており、社員が森林ボランティアなどの環境保全を目的とした社会貢献活動に参加する際に利用することができます。

資源循環

■自社製品におけるリサイクル設計

 岩通グループは、自社開発製品に関する製品アセスメントで、次のリサイクルに関連した要件を設定し、評価しています。
 自社開発製品は、以下のリサイクル関連要件を満たすことを条件としています。

  • リサイクル可能率
  • 分別の容易性
  • 分解性
  • 2次電池の取り外し容易化
  • 材料の統一
  • 識別・材料表示
  • 2次電池のリサイクル表示

 製品アセスメントにおける、これらのリサイクル関連要件については、プラスチック資源循環促進法の制定、岩通グループのマテリアリティの活動テーマ「資源循環への取り組み」を受け、現在見直しを行っています。

■小型充電式電池のリサイクル促進

 岩崎通信機及び東通工業は、(一社)JBRCに加盟し、JBRCが運営するリサイクルスキームによる小型充電式電池の回収、再資源化を行い、資源循環利用促進法に基づく再資源化に貢献しています。
 回収対象は、自社製構内PHSシステムなどの製品に使用されている以下の電池です。

  • ニカド電池(NiーCd)
  • ニッケル水素電池(NiーMH)
  • リチウムイオン電池(Liーion)
  • 一般社団法人 JBRC
    「資源有効利用促進法」に基づき、会員(小型充電式電池メーカーや同電池の使用機器メーカー、輸入事業者等)が販売・提供する小型充電式電池のリサイクル活動を共同で行う団体

■VOC除去装置による熱回収

 栃木サイトは、VOC(揮発性有機化合物)除去を目的にコータードライヤーに付設された蓄熱式脱臭装置で発生した熱を回収し、ボイラーの熱源として再利用しています。
 2021年度は熱回収をしない場合のLPG(ブタンガス) 必要量62トンに対し、実際に使用したLPGは44トンとなり、削減効果は18トンでした。

■有機溶剤の蒸留再利用

 栃木サイトは、製造装置の洗浄に使用しているトルエンなどの有機溶剤を再利用するため、蒸留回収装置を導入しています。本装置の使用により、2021年度は、9,300リットルの有機溶剤を再生利用しています。

■廃棄物管理

 岩崎通信機(久我山サイト)及び国内工場サイトにおける2021年度の廃棄物排出量とリサイクル率は以下の通りです。

廃棄物排出量

[トン]

サイト 目標 実績 評価

久我山

200 110

会津

4.9 2.7

須賀川

40 45

×

泉崎

280 283

×

栃木

111 118

×

八王子

7.8 7.8

合計

643.7 566.6

リサイクル率

サイト 目標 実績 評価

久我山

98%以上 0.999

会津

75%以上 0.731

×

須賀川

88.4%以上 0.902

泉崎

99.7%以上 0.966

×

栃木

99%以上 0.994

八王子

99.9%以上 0.999

合計

92.0%以上 0.973

総排出量・総リサイクル量・最終処分量

[トン]

総排出量 総リサイクル量 最終処分量
567 551 16

 2021年度は、2020年度にコロナ禍により減少した生産量が回復したため、工場サイトで廃棄物が増加し、目標未達となりました。
 また、これまでリサイクル処理が可能であったプラスチック容器包装材が産業廃棄物扱いとなったため、泉崎サイトではリサイクル率が目標未達となりました。
 リサイクル率には、サーマルリサイクルも含まれています。マテリアルリサイクルへの変更など、リサイクルの質向上が課題です。

■PCB廃棄物の適正管理

 岩通グループは、岩崎通信機、岩通マニュファクチャリングに保管されているPCB廃棄物を適切に管理するとともに、計画的な処理を進めています。

岩通グループが管理するPCB廃棄物

種類 濃度 保管サイト
蛍光灯安定器 高濃度 久我山、須賀川
変圧器 低濃度 久我山、会津、須賀川、泉崎
コンデンサ 高濃度・低濃度 久我山、須賀川
リアクトル 低濃度 久我山

 高濃度PCB廃棄物(蛍光灯安定器、コンデンサ)については、JESCO(中間貯蔵・環境安全事業株式会社)に登録済みで、2023年3月までに処分完了の見込みです。
 また、低濃度PCB廃棄物については、環境大臣による認定施設または都道府県知事による許可施設で処分を進めています。

  • JESCO(中間貯蔵・環境安全事業株式会社)
    国等の委託を受けて行う中間貯蔵事業と旧日本環境安全事業株式会社の実施していたPCB廃棄物処理事業を行う、政府全額出資の特殊会社