社会の変化に適応し、
全てのステークホルダーに
より多くの価値を提供する
「IWATSU」へと生まれ変わります

代表取締役社長

木村 彰吾
代表取締役社長 木村 彰吾

■サステナビリティと中期経営計画

 新型コロナウィルス感染症、地政学リスクの高まりに伴う経済・人権問題、自然災害をはじめ、私たちが直面する社会課題はより一層複雑になっています。同時に、「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向け、企業が果たすべき役割はますます大きくなっています。
 こうした社会の変化に適応し、課題解決に通信・計測・印刷システム技術で貢献していくことが岩通グループの使命であるとの認識のもと、自らを改革し事業を通じて社会に貢献していく意志を示すため、2022年度を初年度とする4年間の中期経営計画「REBORN」を策定しました。
 本中期経営計画では、事業とサステナビリティを一体のものとして捉え、ESG経営の推進によって企業価値向上と持続的成長を追求していくことを基本方針に掲げています。
 その基本方針の具現化のため、E(環境)・S(社会)・G(ガバナンス)のそれぞれについてマテリアリティを特定しました。また、マテリアリティごとに2030年の目指す姿の実現に向けて活動テーマを定め、グループ全体で推進しています。

■新たな「IWATSU」の目指す姿

 中期経営計画では「徹底した固定費削減」や「環境意識の高まり、グローバル化、所有から利用への移行などの市場変化を捉えた成長戦略の遂行」も基本方針としています。これらには、持続的な成長を実現し、「全てのステークホルダーにより多くの価値を提供するIWATSUに生まれ変わる」という強い思いを込めています。加えて、全てのステークホルダーの皆様との建設的な対話を促進していくために、ESG/サステナビリティへの取り組み状況を含めた情報発信・IRの強化についてもコミットしています。
 岩通グループは、中期経営計画を推し進めることで、持続可能な社会の実現に対する責任を果たすとともに、ROEや時価総額などの財務的価値も向上させていきます。社会的に価値のある企業であり続ける、それが新たな「IWATSU」の目指す姿です。

■社会課題解決型企業への転換

 中期経営計画における成長戦略のテーマには「電子計測事業の成長」「情報通信事業の成長」「新領域開発」を掲げています。これらのテーマは、社会課題解決型企業への転換を図ることで、自らも持続的に成長していくことを考え抜き定めました。
 まず「電子計測事業の成長」については、岩通グループの強みであるパワー半導体・磁性材料の計測器を主軸にパワーエレクトロニクス関連計測器ビジネスの成長を図ります。パワー半導体・磁性材料は、ハイブリッド車やEVなどの環境対応車や、再生可能エネルギー発電のパワーコンディショナに使用され、計測器はそれらの研究開発を支えています。岩通グループは、関連商材のラインアップ拡充を図ることでソリューションとしての展開を推し進め、カーボンニュートラル社会の実現に貢献します。
 次に「情報通信事業の成長」については、オフィスのDX推進ビジネスや、コンタクトセンタ向けシステムのクラウド型サビスに注力します。このことにより、お客様の業務改革や多様な働き方の実現、生産性の向上への貢献を拡大していきます。
 最後に「新領域開発」については、無線技術を基礎として音声認識・AI等の基盤技術研究や、IoT・エネルギー・ヘルスケア・素材領域等の先端技術開発を強化していきます。情報通信・電子計測技術の融合によるIoTビジネスの拡大や、印刷システム機器で培った化学技術を活用した新たな市場の創出など、社会課題解決に重点を置いた事業展開を図ります。

■ESG経営の推進

 ESG経営を推進していくにあたり、グループを横断したESG分科会において「岩通グループにおけるサステナビリティとはどうあるべきか」、「持続可能な社会実現に貢献できる事業とは何か」「解決に向け、強みを発揮できる社会課題は何か」について議論を重ね、マテリアリティを特定しました。
 マテリアリティの中で最も注力しているのは、気候変動問題への対応です。SBT認定取得に向けたサプライチェーン全体でのCO2排出量の削減・TCFD提言への賛同を通じて本質的な取り組みを開始し、役員や社員の意識も向上してきたと感じています。また、ビジネスにおける人権問題についても、世界各国から部材を調達する岩通グループにとって優先的に取り組むべき重要な課題です。現在、ガイドラインの整備などの具体的な取り組みを加速しています。
 岩通グループは引き続き、マテリアリティに沿って活動を展開し、ESG経営を実践・推進することにより、社会の持続可能性やSDGsの達成に貢献していきます。

■ステークホルダーの皆様へ

 今後、ESG経営を進化させ、岩通グループならではの新しい多くの価値を創出し、全てのスーテクホルダーの皆様のご期待に応えてまいります。
 REBORN、生まれ変わる新たな岩通グループにご支援をいただけますよう、心よりお願い申し上げます。