ESG推進担当役員メッセージ

サステナビリティの視点に立ち、
事業活動を磨き上げることで
企業価値の向上と持続可能な社会を実現します

取締役執行役員 コーポレート・マネジメント本部長
時田 英典

■新中期経営計画とマテリアリティ

 岩通グループは、新中期経営計画を契機に、サステナビリティを経営の中心に置き、ESGの取り組みの強化によって企業価値向上と持続的成長を追求していくことをコミットしました。
 SDGsの達成年である2030年を見据えると、岩通グループに関連性の高いゴールや、岩通グループが中期経営計画のなかで重点的に管理すべき課題など、様々な社会課題が想定されます。そこで岩通グループは、優先的に取り組むべき課題をステークホルダー・自社事業それぞれにおける重要度で評価し、「IWATSUの強み」を踏まえてマテリアリティとして特定しました。マテリアリティはSDGsの17のうち12のゴールの達成に寄与する7項目から成り、配下に全17の活動テーマを設定しています。


■気候変動と人権問題

 地球温暖化に伴う気候変動は環境問題ではありますが、先進国による開発途上国への人権問題でもあります。そのため、岩通グループでは、SDGsが目指す「誰ひとり取り残さない」持続可能な社会とは、気候変動による不利益・不均衡のない世界でもあると考えています。
 そのようなSDGsが目指す世界の実現には、環境・人権に関するマテリアリティの重要度が特に高いと認識しています。自社だけでなくサプライチェーンを通じた取り組みを推進することで、SDGsが掲げる様々な社会課題の解決に貢献していきます。


■国際的なイニシアチブへの賛同

 気候変動問題への対応を具体化するべく、岩通グループでは、 2022年度内のSBT (Science Based Targets)認定取得に向けて取り組むほか、2022年8月にはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明しました。今後は、TCFDの提言に沿った取り組みと情報開示に注力していきます。

ESG推進体制

岩通グループは、企業理念とサステナビリティ方針に基づき、事業活動を通じた持続可能な社会実現と経営の透明性と信頼性を高め、中長期的な企業価値の向上を図るべく、「ESG委員会」を設置し、運営しています。
 同委員会では、ESG推進担当役員を起点に、岩通グループが掲げるマテリアリティの実現に向けた活動の推進とモニタリング、課題の審議・決定を行い、ESG活動を推進しています。
 また、同委員会の内容は取締役会に報告され、ESG経営に関するリスク、機会、活動の有効性について取締役会による確認がなされています。
 本サステナビリティレポートもESG委員会で審議され取締役会に報告しています。

ステークホルダーコミュニケーション

 岩通グループは、すべてのステークホルダーとのコミュニケーションを通じて社会からの期待を把握し、持続可能な社会実現へ向けた取り組みを推進します。また、このようなコミュニケーションを通じてステークホルダーとの信頼関係の構築に努めています。

主なステークホルダ 主な取り組み コミュニケーション手段
お客様 より良いサービス・製品の創出、 苦情への対応、適切なサービス・ 製品情報の開示 営業活動
問い合わせ対応
Webサイト/ソーシャルメディア
株主/投資家 適時適正な情報開示と資本市場からの 適切な評価・支持の獲得、 経営への株主・投資家の視点の反映 定時株主総会
決算説明会
IRミーティング
サプライヤー 公平で公正な取引関係づくり、 より良いパートナーシップに向けた 円滑な情報共有 購買活動
資材セミナーの開催
従業員 人財の積極活用、適正な処遇、 労働安全衛生管理体制の強化 労使協議会
社内報やイントラネットでの情報発信・共有
各種研修
経営層と従業員の対話会
業界団体 内外の法令・規制への対応 業界団体への参加
地域社会 企業市民としての責任遂行、 地域コミュニティへの参画 事業を通じた地域コミュニティへの貢献
ボランティア活動への参加

バリューチェーンマップ

 岩通グループは、事業活動に関わるすべてのステークホルダーの皆様とのエンゲージメントを通じて、サステナブルな価値を提供することを目指しています。
 これからも社会課題や環境の変化、そして人権への問題等を捉えて、自社にとどまらず多様なステークホルダーと協力し合うことで、バリューチェーンにおける社会的課題の解決に取り組み、サステナビリティを推進することで、岩通グループの競争力・企業価値の向上に繋げていきます。

バリューチェーンにおける取り組み

商品企画・
開発
省エネルギー・省資源設計
有害化学物質の使用抑制
アーキテクチャの共通化推進
調達 人権に配慮した調達
グリーン調達
責任あるサプライチェーンマネジメント
生産 工場DX等よる生産の効率化
CO2排出量の削減
有害化学物質使用量削減
労働安全衛生の推進
営業・販売 顧客満足の向上
安全で高品質な製品の提供
Webサイト等による製品・サービス情報の充実
保守・
サービス
サポート体制の強化
サービスの品質向上

マテリアリティマップ

 気候変動の激化、少子高齢化、デジタルトランスフォーメーションの進展など、外部環境は複雑化し、また社会課題は顕在化・深刻化しています。
 このような社会状況を受け、岩通グループはESG経営を加速させるべく、事業およびバリューチェーン上の将来課題の抽出を行い、「ステークホルダー」と「自社事業」の2つの観点で重要度について評価し、「IWATSUの強み」を踏まえたマテリアリティを特定しました。
 今後は、これらの取り組みを通じて社会課題解決に向けた活動をさらに加速させ、長期的な企業価値の向上を目指してまいります。

マテリアリティ特定のプロセス

マテリアリティ分類

環境
1 持続可能性を考慮した調達活動の推進
2 環境配慮製品・サービスの提供
3 事業所活動における環境負荷の低減
社会
4 「つながる」「はかる」「つたえる」を軸とした製品とサービスによる社会の進歩発展
5 ダイバーシティの尊重と従業員の働きがいの向上
6 地域社会とのコミュニケーションと共生の推進
ガバナンス
7 企業価値向上に向けた透明性・信頼性の高いガバナンス体制の構築

マテリアリティと目指す姿

環境

1.持続可能性を考慮した調達活動の推進

 私たちは、気候変動に伴う災害に強く、紛争や人権に配慮したサプライチェーンを構築し、運用することを継続的に取り組み、脱炭素の推進とサプライチェーンに関わる全ての人々の豊かさの維持・拡大に貢献します。

2.環境配慮型製品・サービスの提供

 私たちは、計測技術により世界の省エネルギー機器開発を支えることを通じて、地球環境の保全に貢献します。また、それらの技術・製品を生態系への負荷の少ない環境配慮型とすることに継続的に取り組むことでお客様への環境貢献を果たしていきます。

3.事業所活動における環境負荷の低減

 

私たちは、従来から取り組んでいる環境汚染物質の低減に加え、再生可能エネルギーの積極的利用や資源循環の仕組み構築を図ることにより、事業活動における環境負荷の低減を進め、地球環境の保全に貢献します。

  マテリアリティ 活動テーマ 2030年の目指す姿 貢献するSDGs

1

持続可能性を考慮した
調達活動の推進
レジリエンスのある
サプライチェーンの構築
気候変動に伴う自然災害に強く、紛争や人権に
配慮したサプライチェーンを構築、運用する
購入した製品・サービスに
関わるGHGの削減
SBT Scope3 Cat.1.4における
GHG削減目標を達成する

2

環境配慮型製品・
サービスの提供
計測技術を通じたカーボン
ニュートラル社会への貢献
パワーエレクトロニクス計測技術により
世界の省エネルギー機器開発を支え、
GHG削減に貢献する
自社製品のエネルギー効率
改善
SBT Scope3 Cat.11における
GHG削減目標を達成する
生態系負荷の少ない製品設計 新規製品における自社環境ラベル認定適合率
100%とする

3

事業所活動における
環境負荷の低減
事業プロセスの効率化による
GHG排出量削減
SBT Scope1、2におけるGHG削減目標を
達成する
再生可能エネルギーの導入
拡大
太陽光発電の導入拡大、再生可能エネルギー
由来電力の導入により、事業所のGHG排出量の
2050年実質ゼロ化に目途が立っている
環境汚染防止と生物多様性
保全の推進
VOC、PRTR等の化学物質の排出量削減、大気、
水域への排出基準順守により、
環境及び生物多様性保全に貢献する
資源環境への取り組み 自社製品リサイクルスキーム確立と事業所排出
廃棄物の削減により、循環型経済に貢献する

社会

4.「つながる」「はかる」「つたえる」を軸とした製品とサービスによる社会の進歩発展

 「つながる」「はかる」「つたえる」を軸とした人やモノを繋ぐコミュニケーション技術について継続的に技術革新を行い、よりよい機能と品質をお客様に広く届けることで、お客様・社会の問題解決に貢献します。


5.ダイバーシティの尊重と従業員の働きがいの向上

 私たちは、従業員の人権・多様性を尊重するとともに、健康管理や人財育成の機会を提供することを通じて、社員一人ひとりが資質を最大限発揮し、生き生きと働くことができる環境の整備に努めます。


6.地域社会とのコミュニケーションと共生の推進

 私たちは、地域行政との連携、チャリティーイベントへの積極参画などにより、企業を支えてくださる地域社会との共生を継続的に推進します。

  マテリアリティ 活動テーマ 2030年の目指す姿 貢献するSDGs

4

「つながる」「はかる」
「つたえる」を軸とした
製品とサービスによる
社会の進歩発展
技術革新による魅力ある
新製品及びサービスの開発
IoT、AI、パワーエレクトロニクス半導体計測
技術を生かした製品及びサービスにより
社会課題の解決に貢献する
製品及びサービスの品質改善
による顧客満足の向上
製品品質を継続的に改善し、顧客満足の
向上を図るとともに、安全設計の徹底により、
重大な市場事故の発生を継続的に予防する

5

ダイバーシティの尊重と
従業員の働きがいの向上
人権と多様性の尊重 女性管理職の比率を拡大し、女性も能力を
存分に発揮できる組織とする
障害者法定雇用率の達成に向けて推進する
人財育成と技術継承 技術革新のための人財育成体制を整備し、
新規事業の拡大の下支えとする
計画的な技術継承により固有技術を維持する
健康経営の推進 健康経営の推進

6

地域社会とのコミュニ
ケーションと共生の推進
地域社会とのコミュニケーションと
共生の推進
地域行政との連携、チャリティーイベントへ参画、
社員のボランティア活動促進等により
地域社会との共生を推進する

ガバナンス

7.企業価値向上に向けた透明性・信頼性の高いガバナンス体制の構築

 私たちは、コーポレート・ガバナンスを強化し、社会やステークホルダーに信頼される公正で透明性の高い経営を実現します。

  マテリアリティ 活動テーマ 2030年の目指す姿 貢献するSDGs

7

企業価値向上に向けた
透明性・信頼性の高い
ガバナンス体制の構築
ガバナンスの強化と推進 コーポレートガバナンスのさらなる透明化を
継続的に推進する
役員登用の多様性を推進する(女性役員含む)
重大なコンプライアンス違反を継続的に防止する
透明性・信頼性の高い
外部情報公開
IR、サステナビリティ報告書等による適切な情報
開示を行い、ステークホルダーとの対話を推進する

企業価値の増大・永続的な発展・ステークホルダーとの共栄を目的として、透明性を確保し、多様な意見と幅広い知見を取り入れることを基本方針とし、今後もガバナンス強化を推進していきます。

※役員報酬諮問委員会は、2018年に報酬指名諮問委員会へ変更されました