人権と多様性の尊重
人権の尊重についての基本的な考え方
岩通グループは、事業活動に関わる全ての人々の人権を尊重した経営を行うべきであると考えています。
グループを含むバリューチェーンにおける様々な人権リスクに対して真摯に向き合い、解決に寄与することが岩通グループの社会的責任と考え、課題解決に取り組んでいます。
ILO中核的労働基準に対する方針声明
児童労働の禁止
義務教育を妨げる労働や、法令で規制される18歳未満の従業員の危険で有害な労働の禁止
強制労働の禁止
あらゆる形態(強制、拘束、非人道的な債務労働など)の強制労働の禁止
雇用及び職業における差別の撤廃
あらゆる差別や嫌がらせの禁止、全従業員の人権の尊重
結社の自由と団体交渉権の尊重
結社の自由及び団体交渉権の尊重、労使間の円滑な意思疎通の推進
人権の尊重に関する活動概要
■ILO中核的労働基準に対する方針声明の策定
岩崎通信機・岩通マニュファクチャリングは、「労働の基本原則及び権利に関する国際労働機関(ILO)宣言」に基づいた社内方針を定め、周知、啓発するとともに、その遵守に努めています。
■現代奴隷法への対応
脅威・暴力などの圧力を背景に労働を強要される強制労働をはじめ、現代においても奴隷問題は数多く存在しています。岩通グループでは、調達プロセスにおける「現代奴隷」のリスクへ対応すべく、調達ガイドラインの整備を進めています。
■人権教育・啓発活動
岩崎通信機は、人権や多様な価値観について理解を深めることが必要であると考え、教育・啓発の充実を図っています。
具体的には、各階層の社員を対象としたハラスメント防止の教育・啓発、新入社員に向けたビジネスにおける人権の重要性に関する教育などを実施しています。
■労使連携
岩崎通信機及び岩通マニュファクチャリングは、労働組合が組織されています。
ILO中核的労働基準を尊重し、労使間の対話を通じて様々な課題に対処していくことを基本姿勢としています。具体的には、経営課題や人事制度、働き方等の諸課題について、労使協議などを通して意見交換を行い、合意を形成しています。
なお、岩通グループ内で労働組合のない会社は、労働者の代表を選出し、労使対話・協定締結を行っています。
労働組合の組織率※
各年度3月31日時点
2018 年度 |
2019 年度 |
2020 年度 |
2021 年度 |
|
---|---|---|---|---|
岩崎通信機(株) | 54.3% | 54.3% | 52.9% | 54.1% |
岩通マニュファク チャリング(株) |
77.8% | 79.4% | 78.9% | 79.1% |
- 表の2社はユニオンショップ制を採用しています。
管理職を含めた正社員に占める組合員の割合です。
多様性の尊重についての基本的な考え方
岩通グループは、人財の多様化を図り育成することが、中長期的な企業価値向上につながるという考えのもと、国籍や性別、障がいの有無に関わらず、将来性のある優秀な人財を採用し、活躍を推進しています。
年齢層別の男女比
各年度3月31日時点
年齢層 | 性別 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | |
---|---|---|---|---|---|---|
岩崎通信機(株) | 30歳未満 | 男性 | 8.6% | 7.9% | 7.3% | 8.3% |
女性 | 1.8% | 1.8% | 2.4% | 3.7% | ||
30~ 50歳 |
男性 | 36.4% | 35.6% | 33.6% | 31.3% | |
女性 | 5.3% | 4.3% | 4.0% | 3.9% | ||
50歳以上 | 男性 | 43.9% | 45.6% | 47.6% | 47.9% | |
女性 | 4.0% | 4.8% | 5.1% | 4.9% | ||
岩通グループ | 30歳未満 | 男性 | 9.0% | 8.8% | 8.5% | 9.5% |
女性 | 6.4% | 7.2% | 7.1% | 8.3% | ||
30~ 50歳 |
男性 | 32.1% | 30.8% | 29.4% | 27.5% | |
女性 | 14.1% | 13.3% | 14.4% | 13.0% | ||
50歳以上 | 男性 | 26.6% | 27.8% | 28.5% | 29.5% | |
女性 | 11.8% | 12.1% | 12.1% | 12.2% |
多様性の尊重に関する活動概要
■女性の活躍推進
岩崎通信機は、技術職・事務営業職ともに性別を問わず採用を行っています。近年、新卒採用時に女子学生向け広報を強化したことなどにより、新入社員における女性の割合は増加傾向にあります。
また、管理職への登用についても、性別を問わず、本人のスキルや経験を総合的に判断し、行っています。
女性社員の定着や女性管理職の比率向上のため、今後も社内環境の整備や人財育成の強化に取り組み、さらなる女性の活躍を推進します。
新入社員における女性の割合(岩崎通信機)
各年度3月31日時点
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 |
---|---|---|---|
22.2% | 30.0% | 36.4% | 27.8% |
女性社員における管理職の割合(岩崎通信機)
各年度3月31日時点
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 |
---|---|---|---|
10.6% | 10.4% | 9.8% | 9.3% |
■外国籍人財の採用
岩崎通信機は、多様な文化背景を持つ人財を確保できるよう採用活動を強化するとともに、社内環境・制度の整備に努めています。
■障がい者雇用
岩崎通信機は、障がい者の採用活動と、入社後の職場への定着支援の双方に注力し、雇用の安定化とその推進を図っています。
障がい者雇用率(岩崎通信機)
各年度3月31日時点
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | |
---|---|---|---|---|
法定雇用率 | 2.2% | 2.3% | ||
岩崎通信機(株) | 1.2% | 1.3% | 1.7% | 2.4% |
■シニア社員の活躍推進
岩崎通信機は、定年退職後の再雇用制度を導入し、意欲と能力ある人財が継続して活躍する場を提供しています。技術継承の観点からもシニア社員は欠かすことのできない人財であるため、今後も長期的に活躍できる機会・環境づくりを推進します。
人財育成
基本的な考え方
岩通グループは、「人」とは財産であり、社員一人ひとりの成長がグループの成長につながると考え、マテリアリティに基づく活動テーマとして「人財育成と技術継承」を掲げています。この考えのもと、グループ各社にて教育体制を整備し、社員のスキル向上・知識習得に努めています。
活動概要
■教育プログラムICAPを通じた人財育成
岩崎通信機は、教育プログラムICAP(Iwatsu training program for Creativity, Ability & Possibility)を設け、成長機会を提供しています。ICAPの活用を通して、事業目標の達成に寄与する人財の開発や育成を推進しています。
具体的な内容としてOJTのほか、社員の成長ステージに応じた役割認識を行うための階層別教育を実施しています。また、個々のスキル開発を目的とする支援制度を設けています。本支援制度では、主にビジネススキルの向上や社員のキャリア形成の支援を行っています。
ICAP体系図
外部教育受講支援制度は、従来、集合型セミナーとeラーニングで実施していましたが、コロナ禍により集合型セミナーからWebセミナーへ変更しました。ニューノーマルにも対応した教育により人財育成を継続していきます。
受講数(外部教育受講支援制度利用件数)
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | |
---|---|---|---|---|
受講数 | 79 | 106 | 59※ | 94 |
- コロナ禍により集合形式での開催が中止になったため受講数が減少して います。
受講可能な教育プログラム
- 経営企画
- 人事・労務
- 経理・財務・税務
- 総務・法務・監査
- 営業・マーケティング
- 貿易・物流
- ビジネススキル(論理的思考、交渉・折衝、ビジネスマナー、コミュニケーション、PCスキル等) 等
■専門教育
岩崎通信機は、管理部門・開発部門・営業部門・生産管理部門の各部署にて、業務に関連した専門的な教育・訓練を企画し、実施しています。
2021年度教育事例
- 設計関連教育(回路設計、機構設計、ソフトウェア設計、無線技術など)
- 新製品教育(販売、保守サービスなど)
- 品質管理、製品安全関連教育
- 化学物質管理、SDS教育
- 貿易管理教育
- 情報システム関連教育
- 知的財産関連教育
- JIS Q 9100関連教育
■製造工程に携わる人財の育成
岩通マニュファクチャリングは、製造工程で必要な知識・スキルの習得、業務改善・生産性向上に寄与する人財の育成のための教育を企画し、実施しています。社内に設置したトレーニングセンターでは、具体的なテーマで教育・訓練を行い、社員のスキル向上と知識の習得を図っています。
また、岩通マニュファクチャリングで培ったスキルや知識は、海外工場である岩通マレーシアに展開し、グループ全体の生産技術の向上につなげています。
2021年度トレーニングセンター教育事例
- TWI研修(仕事の教え方、改善の仕方)
- はんだの知識
- はんだ付け技能教習
- 品質管理教育
- 作業通則教育
- 出庫作業の基本ルールと注意点 など
健康経営とワークライフバランス
基本的な考え方
岩通グループは、社員一人ひとりが生き生きと活躍できることが、企業価値の向上につながるものと考えています。すべての社員がそれぞれの力を十分に発揮できるよう、心身の健康・充実した生活(ライフ)と仕事(ワーク)の両立を支援するための諸制度や施策の整備を進めています。
健康経営推進体制
岩通グループでは、健康経営推進事務局(岩崎通信機(株)人事担当部門)が主体となり、健康経営を推進する体制を構築しています。同部門を事務局として配置し、代表取締役社長を委員長とするESG委員会、産業医、健康保険組合、労働組合と連携のうえ、健康経営に関する各種取り組みを進めています。
活動概要
■健康サポート
岩崎通信機は、法定の健康診断に加え、2016年度からストレスチェックを実施しています。社内には健康支援室を設置し、保健師や産業医による健康相談日を設けるほか、健康保険組合と共同で健康増進プログラムを推進するなど、社員の心身の健康をケアする仕組みを構築しています。
健康増進プログラム一例
- オンライン禁煙プログラム
- ウォーキングイベント
■出産・育児・介護への支援
岩崎通信機は、出産・育児・介護中の社員に対し、法定の休暇休職制度に加え、男女問わず活用できる休暇制度・短時間勤務制度・時差出勤制度を設け、家庭と仕事の両立をサポートしています。
出産・育児・介護中の社員を支援する制度
- 悪阻休暇制度
- 妊娠期間中の短時間勤務制度
- 産前産後休暇
- 育児休暇休業制度
- 育児のための時差出勤制度
- 育児や介護のための時短勤務制度
- 小学校卒業までの子を対象とした看護休暇(半日や時間単位での取得も可)
- 学校行事への参加や小学校卒業までの子が学級閉鎖となった場合の多目的休暇制度
- 家族の介護休暇
- 介護休業制度(半日や時間単位での取得も可)
育児休業を取得した社員数(岩崎通信機)
取得者/対象者
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | |
---|---|---|---|---|
男性 | 2/6人 | 1/8人 | 0/3人 | 2/4人 |
女性 | 0/0人 | 0/0人 | 1/1人 | 1/1人 |
育児休業後の社員の復職率(岩崎通信機)
各年度3月31日時点
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 |
---|---|---|---|
100% | 100% | - | 100% |
■柔軟な働き方の推進
岩崎通信機は、より柔軟な働き方を実現するため、2021年度から有給休暇の時間単位取得制度を導入しました。また、各種休暇制度の充実や全社一斉退社日の設定など、長時間労働への対策を積極的に行っています。
主な制度・施策
- リフレッシュ休暇制度
- 多目的休暇(公的ボランティア活動・学校や地域など次世代育成に関わるボランティア活動に利用可能)
- 有給取得キャンペーン(6月)
- 全社一斉定時退社日(毎月第2、第4金曜日)
有給休暇の平均取得日数(岩崎通信機)
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 |
---|---|---|---|
11.0日 | 11.0日 | 12.0日 | 12.4日 |
■アフターコロナを見据えた新しい働き方の推進
岩崎通信機は、新型コロナウイルス感染症対策の一環としてテレワークを開始しました。全社員へのノートパソコンの配付・リモートアクセス環境の整備やサテライト型シェアオフィスの利用を進め、新たな働き方として確立・定着を図っています。
労働安全衛生
基本的な考え方
岩通グループは、社員一人ひとりが安心して働き能力を発揮できるよう、職場における労働安全衛生を整え、維持向上を図ることが重要であると考えています。社員の傷病や労働災害の未然防止、ストレス要因などへの対応を通じて、社会・心理・物理的側面を満たした快適な職場環境の形成を推進しています。
推進体制
岩崎通信機・岩通マニュファクチャリングは、労働災害防止や快適な職場環境の形成を促進するために、安全衛生を管理する体制を確立しています。
岩崎通信機は、安全衛生委員会を設置しており、メンバーは総括安全衛生管理者・産業医・労働組合代表者、事務局等で構成されています。また、オブザーバーとして、健康保険組合代表者も参加しています。委員会で審議・報告した内容は、必要に応じて社内報やイントラネットを通じて社内へ周知し、社員の意識向上に努めています。
岩通マニュファクチャリングは、事業所ごとに安全衛生委員会を設置しています。委員会は、安全管理者・衛生管理者・産業医・労働組合代表者・事務局で構成されています。また、2つの事業所では職場安全衛生委員会を設け、安全衛生職場委員が活動しています。
安全衛生管理体制図(岩崎通信機)
安全衛生管理組織図(岩通マニュファクチャリング)
活動概要
■ストレスチェック
岩崎通信機は、メンタルヘルス対策の一環として、年に1回、社員に対するストレスチェックを実施しています。なお、本人の同意なく会社がストレスチェックの結果を入手することがないよう、プライバシーに十分配慮しています。
■化学物質のリスクアセスメント
岩崎通信機は、はんだや有機溶剤などの化学物質を使用している部門に対し、年に1回、化学物質のリスクアセスメントを実施しています。
化学物質は主に設計開発で使用しています。2021年7月に実施したアセスメントの結果では、有害性の高い物質の使用はなく、また、使用量も少ないことから健康リスクの高い職場は認められませんでした。
また、製造・修理などで化学物質を使用するグループ会社においても同様のアセスメントを実施しています。各社にてアセスメント結果をもとに保護具の導入や設備改善を行い、製造工程で使用する有害な化学物質の使用量・暴露リスクの低減に努めています。
■防火防災への取り組み
岩通グループ各社では、年に1回、防火防災訓練を実施しています。
岩崎通信機は、法定訓練に加えAED・防災設備の使用方法や災害時の行動などを全社に周知し、防災への意識向上に努めています。
防火防災訓練
AEDの体験学習
(いずれも岩崎通信機)
■労働災害・通勤災害の防止
生産工場を持つ岩通マニュファクチャリングは、社員の安全を第一に考え、始業前の点検・安全パトロールを徹底しています。また、生産設備・化学物質の安全な使用に関する教育を実施し、安全に対する意識の向上と労働災害の防止に努めています。
岩崎通信機は、通勤や業務のために運転する社員の安全を守り、交通安全を推進していくため、年に1回、安全運転講習会を実施しています。2021年度は「ながらスマホ」と「夕暮れ時の運転」に関する講習を行いました。今後も、社員への交通ルール遵守と交通マナーの実践の意識づけを継続していきます。
労働災害・通勤災害の発生件数※
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | ||
---|---|---|---|---|---|
岩崎通信機(株) | 労働災害 | 1 | 1 | 1 | 0 |
通勤災害 | 0 | 1 | 1 | 1 | 岩通マニュファク チャリング(株) |
労働災害 | 2 | 4 | 1 | 4 |
通勤災害 | 0 | 0 | 0 | 0 |
- 休業1日未満の軽度なものも含まれます。2018~2021年度において、休業補償を伴う労働災害は、2021年度に岩通マニュファクチャリングで発生した1件のみです。
■新型コロナウィルス感染症への取り組み
岩通グループは、新型コロナウィルス感染症対策として、テレワークの推進・集合形式の会議からWeb会議への変更・飛沫防止用アクリル板の設置・換気の徹底などを行っています。
また、岩通マニュファクチャリングは、事業継続を念頭に、訪問者に対して抗原検査キットによる入門時チェックを行うことで感染防止を図っています。
なお、岩崎通信機は、社内の手指消毒用に自社製品のアルコール除菌剤「ALMEE(アルミー)」を設置し、使用しています。
サプライチェーンマネジメント
基本的な考え方
現代の企業環境は、グローバル化が加速し、人権、環境、パンデミック、気候変動に伴う災害の激甚化などの世界的規模の課題への対応が重要となっています。
岩通グループは、部品材料調達、開発、生産、販売、サービス、リサイクル等のサプライチェーンに関わるすべてのお取引先様と協力して社会の要請に応え、持続可能な社会の実現と競争力の向上を目指します。
サステナビリティ資材調達方針
- 国内外のすべてのお取引様に対し、公正に機会を提供するとともに、対等な立場で関連法令、契約を遵守し、誠実な取引を行います。
- 岩通グループ サステナビリティ調達ガイドラインに賛同、遵守いただけるお取引様から優先して調達を行います。
- 品質、納期/安定供給力、価格、技術/サービス力と、これらを高める企業姿勢を総合的に判断し、競争力ある製品、サービスを、経済合理性に基づき調達します。
- 情報セキュリティ対策を徹底し、業務上知り得たお取引先様の個人情報、秘密情報を保護します。
- すべてのお取引様と相互理解を深め、信頼関係を築き、共に行動することで、サステナブルな社会の実現に貢献します。
活動概要
■岩通グループのサプライチェーンマネジメント
岩通グループが提供するほぼすべての製品は、5つの生産拠点(国内4・海外1)で製造しており、使用される資材は国内外の多数のお取引先様から調達しています。
お取引先様に対して、サステナビリティ資材調達方針のもと、サステナビリティ調達ガイドラインの周知と取り組みの要請や工場監査による調達品の品質管理を行うことで、サプライチェーン管理を推進しています。
生産拠点における主な調達品目
- 電子部品
- プリント基板
- 樹脂成形品
- 板金素材、板金加工品
- 化学品
■資材セミナー
岩通グループは、お取引先様と当社グループの事業方針・新規事業展開・調達に関する考えを共有し、事業活動をともに推進していくため、年1回、資材セミナーを開催しています。
■サステナビリティ調達ガイドライン及びグリーン調達基準
岩通グループは、近年の持続可能な調達に関する社会的状況を鑑み、2023年1月に「岩通グループサステナビリティ調達ガイドライン」と、それを補完する「岩通グループグリーン調達基準」を制定しました。
同ガイドラインを賛同、遵守いただける、お取引先様を優先することで、持続可能な調達を推進しています。
■責任ある鉱物調達
コンゴ民主共和国およびその周辺国で採掘される鉱物の一部が非人道的行為を行う武装勢力の資金源となっていることから、米国の「金融規制改革法(ドット・フランク法)」やEUの「紛争鉱物規則」などの法令が制定されています。
また、企業に対し、調達する鉱物資源が紛争や人権侵害等を助長していないことを確認するデュー・ディリジェンスを義務付ける動きが広がっています。
例えば、OECDは全ての企業に対して「紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンスガイダンス」に基づいた「責任ある鉱物調達」を求めています。
岩通グループは、調達活動における社会的責任を果たすため、お取引様の皆さまと連携し、サプライチェーンの透明性を確保するとともに、武装勢力の資金源となる「紛争鉱物」の不使用に向けた取り組みを推進していきます。
- 1)鉱物の採掘、輸送、取引に関連した人権侵害
- 2)非政府武装集団に対する直接的または間接的支援
- 3)公的または民間の保安隊による不法行為
- 4)贈収賄および鉱物原産地の詐称
- 5)資金洗浄
- 6)政府への税金、手数料、採掘権料の未払い
- ①南スーダン共和国、②ウガンダ共和国、③ルワンダ共和国、④ブルンジ共和国、⑤タンザニア連合共和国、⑥ザンビア共和国、⑦アンゴラ共和国、⑧コンゴ共和国、⑨中央アフリカ共和国
岩通グループ 責任ある鉱物調達方針
当社グループは、紛争や人権侵害等を助長することがないよう、調達する部品材料に含まれる下記の鉱物とそのリスクに対し、OECDのデュー・ディリジェンス・ガイダンスに沿ったマネジメントプロセスを構築、運用することで、責任ある鉱物調達に向けた国際的な取組みへの貢献を果たしていきます。このため、当社グループのサプライチェーンに対し、紛争鉱物調査の標準フォームである責任ある鉱物イニシアティブ(RMI:Responsible Minerals Initiative)のCMRT(Conflict Minerals Reporting Template)による調査を定期的に実施し、リスクが判明した場合には、よりリスクの少ない部品材料に変更する等、商業上合理的な範囲で継続した取組みを実施します。 対象とする鉱物 錫、タンタル、タングステン、金、および社会状況等によりリスクが高いと当社グループが判断した鉱物 対象とするリスク
品質マネジメント
基本的な考え方
岩通グループは、品質・安全性に優れた製品とサービスによって社会課題の解決を図り、持続可能な社会の実現に貢献することが重要であると考えています。この考えのもと、品質方針を制定し、製品・サービスの品質向上と顧客満足の向上に取り組んでいます。
品質方針
岩通グループは、「つながる」「はかる」「つたえる」を軸とした、品質に優れた製品とサービスを提供し、社会の進歩発展に貢献します。
技術革新に努め、魅力ある製品とサービスを開発し、社会と顧客のニーズに応えます。
製品とサービスの品質改善により、顧客満足の向上に努めます。
業務品質の向上による効率的な業務運営と経営数値の改善に努めます。
技術革新と製品・サービス及び業務の品質向上のため、人財育成に努めます。
規格要求事項、顧客及びその他要求事項に従い、品質マネジメントシステムを継続的に改善します。
- 上記の品質方針は、国内のISO 9001認証組織を対象としています。
QMS推進体制
岩通グループは、ISO 9001に基づく品質マネジメントシステム(QMS)を構築し、運用管理を行い、品質の確保及び顧客満足の向上に努めています。
QMS管理責任者の指揮のもとグループ事務局が起点となり、各部門及び内部監査員と連携し、内部監査やマネジメントレビューなどを通じて継続的なパフォーマンスの改善を推進しています。
ISO 9001認証取得状況
会社名 | 取得状況 | 認証機関/番号 |
---|---|---|
岩崎通信機(株) | ○ |
日本検査キューエイ(株)/3773 |
岩通マニュファクチャリング(株) | ○ |
|
岩通ネットワークソリューション(株)※ | ○ |
|
岩通ビジネスサービス(株) | ○ |
|
岩通ソフトシステム(株) | ○ |
|
東通工業(株) | × |
|
電通サービス(株) | × |
― |
groxi(株) | × |
― |
Iwatsu(Malaysia)SdnBhd | ● |
SIRIM/QMS 02860 |
※営業課所を含む
○:岩崎通信機㈱本社のグループ認証として取得 ●:個別認証により取得。Iwatsu (Malaysia) Sdn Bhdは、国内とは別のQMS推進体制を整備・運用
■内部監査
岩通グループは、年に1回、岩崎通信機本社が主管となってQMSの適合性と有効性の確認をしています。
[実施時期] 2021年8~10月※
[対象] 6社14サイト(岩通グループ・国内)
[結果] 重大な不適合0件
- EMSとの統合監査として実施
■外部審査
岩通グループは、年に1回、QMSの適合性及び有効性について認証機関による外部審査を受けています。不適合については定められた期間で修正/是正処置を行っています。改善の機会については各部門で対応し、内部監査において対応状況の確認を行います。
[実施時期] 2022年2月
[認証機関] 日本検査キューエイ(株)
[結果] 不適合0件、改善の機会27件
■マネジメントレビュー
岩通グループは、年に2回、岩通グループ事務局が主幹となりマネジメントレビューを実施しています。経営層に品質目標の達成状況、顧客満足の監視の状況、QMSに関する改善点などを報告しています。
[実施時期] 2021年4月(前年度総括※)
2022年1月(内部監査報告※)
- EMSとの統合報告として実施
■品質改善への取り組み
岩崎通信機本社品質保証部を中心に工場品質部門・製造部門が連携し、製品不具合の低減や工程品質の向上に取り組んでいます。
定例の品質会議では、経営層に市場品質・工程品質の状況を直接報告し、適切な情報共有と迅速な対応を推進しています。
■製品事故の防止
岩通グループは、製品に関する重大事故・緊急事態が発生した際に迅速・適切に対応できるよう社内規程を整備し、運用しています。社内イントラページで通報ルールの周知をするとともに、教育による運用の徹底を図っています。
また、リコールについては、ホームページでの適時適切な開示・情報提供に努めています。
2021年度、お客様の資産に重大な影響を及ぼす品質事故はありませんでした。
■法令違反の防止
製品に関わる法令については、技術部門での設計審査・設計検証、品質保証部門による妥当性確認により、該当法令と順守状況の評価を行っています。
■品質教育
岩通グループは、QMSを有効に運用するため、品質月間教育・啓発活動を計画し実施しています。
2021年度実施状況
教育・啓発活動タイトル | 参加人数(名) |
---|---|
新入社員教育(EMSの概要) | 20 |
品質月間教育(Check・Actプロセス口語解説) | 38 |
「組織の知識」について | 48 |
内部監査事前教育 | 72 |
新任内部監査員養成教育 | 14 |
ISO9001:2015規格解釈(eラーニング)※ | 21 |
- (一社)情報通信ネットワーク産業協会 QMS委員会が提供するサービス
■営業部門による顧客満足調査
岩崎通信機の営業各部門は、お客様や販売店様から自社製品・サービスについてのご意見・ご要望を集め、事業活動に反映する活動を推進しています。いただいたご意見等を分析し、製品の機能向上・品質改善・サービスの向上につなげています。
地域貢献活動
岩通グループは、一人ひとりが良き企業市民として、積極的に地域・社会貢献活動に取り組むことにより、地域社会との共生とコミュニケーションを推進しています。
■岩崎通信機の活動事例
地域団体への参画
高井戸警察懇話会、高井戸警察安全運転管理者部会、荻窪危険物災害防止会、荻窪火災予防協会など
杉並区役所管内集団接種会場新型コロナワクチン冷凍庫用温度監視システムの設置
災害時の緊急物資支援拠点の提供(杉並区災害受援計画)
杉並チャリティーウォークへの協賛
久我山ホタル祭りへの協力
春/秋の全国交通安全運動への協力 など
杉並チャリティウォーク、久我山ホタル祭りは、コロナ禍のため2020年度、2021年度は中止となっています。写真は2019年度の様子です。
■杉並区役所管内集団接種会場新型コロナワクチン
冷凍庫用温度監視システムの設置
岩崎通信機は、新型コロナウイルス感染症のワクチン保管用冷凍庫の温度監視を行うシステムを杉並区へ提供しています。
「ワクチン冷凍庫」については、電源トラブルによりワクチンを廃棄した事例が報告されるなど、管理方法が課題となっていました。
本システムはUSBカメラと当社製メーター自動読み取りソフト「計器読む像」を組み合わせたもので、冷凍庫の温度を読み取り常時記録し、温度異常を検知した際にはアラートメールを自動で送信します。
そのため、早朝や夜間などの職員不在時でも、トラブルの早期認知・対応が可能となり、ワクチンの廃棄を防ぐことができます。
- 2022年10月現在、本システムは医療機関を除く杉並区管理のすべての集団接種会場に導入され、稼働しています。
■岩通マニュファクチャリングの活動
地域団体への参画
須賀川地区・白河地区警察官友の会、須賀川地方消防防災協会、
安全運転管理須賀川事業主会、白河地区防火管理連絡協議会など松明あかし(日本三大火祭り)への参加
円谷幸吉メモリアルマラソンへの参加
工場周辺の植花と美化活動
エコキャップ活動
職場での献血協力